2017.5.8

澤井弁護士の共謀罪についてのコメントが5月1日付毎日新聞に掲載されました

政府は「テロ等準備罪」が必要な理由の一つとして、国際組織犯罪防止条約の締結を挙げている。条約に参加していない現状では、米国や韓国と結んでいる2国間条約がない国と捜査情報を共有するには、外交ルートや国際刑事警察機構(ICPO)を経由するしかない。外務省を通じて他国に照会をかけても回答を得るのに時間がかかる場合もある。

条約には187の国・地域が入っており、参加できれば加盟国の捜査機関から直接、情報収集ができるようになる。現実的に日本でテロが起こるとしたら国外組織による可能性が高く、テロ組織の情報を迅速に共有できるメリットは大きい。

今回の法案は計画のみではなく準備行為まで行って初めて処罰される。実際に立件するには、例えば、テロのために資金が動いたことや、爆弾の材料調達といった点を客観的な証拠で裏付けることが必要だ。「テロ等準備罪」には基本的人権を侵害する恐れはなく、結論としては賛成の立場だ。

ただ、法律が成立しても捜査機関にとって直ちに「武器」になるかどうかは疑問だ。

準備行為を摘発してテロを未然に防止するためには事前の情報収集が不可欠。情報収集の手段がなければ現場の警察は困惑するだろう。かえって実際にテロが起これば「なぜ防げなかったのか」という批判が警察に向かいかねない。国内的には通信傍受の拡大や全地球測位システム(GPS)捜査の立法化など捜査環境を整備する必要がある。

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