2019.1.17

澤井弁護士が「ゴーン前会長の長期化する拘束、今後の見通し」について解説した記事がヤフーニュースで配信されました!

ゴーン前会長、長期化する拘束…保釈、初公判、今後の見通しは?

(弁護士ドットコム 1/13(日) 12:41配信)

 

私的な投資を日産自動車に付け替えたなどとして、東京地検特捜部は1月11日、カルロス・ゴーン前会長を会社法違反(特別背任)と金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で追起訴した。同じ日、弁護人は東京地裁に保釈請求した。

会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕された8日、大鶴基成弁護士らは記者会見を開き、第1回の公判が開かれるまで「半年以上はかかるかもしれない」と今後の見通しについても触れた。

ゴーン前会長が1度目に逮捕(金融商品取引法違反)されたのは2018年11月。その後、保釈の可能性もあったが、12月に再逮捕され、拘束期間が長引いている。長期にわたる拘束に、国内外から批判は高まっている。

 

ゴーン前会長の今後について、元警察官僚の澤井康生弁護士に聞いた。

 

●初公判まで半年以上かかるのも「頷ける」

――初公判までに半年以上かかるケースは少なくないのでしょうか

 

「通常の刑事事件、つまり被告人が自白しており、事実関係について争いがないような事件の場合には起訴されてから概ね1カ月半後に第1回公判期日が開かれます。

これに対し、被告人が事実関係について否認するなどして争っており、争点が複雑で証拠もたくさん存在するような事件の場合は、公判前整理手続きという手続きがおこなわれます。

この手続きは平成17年(2005年)に導入された制度で、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速におこなうことを目的として、裁判官、検察官、弁護人が初公判前に協議をおこない、事件の争点や証拠を整理して審理計画を立てるものです(刑事訴訟法316条の2)。

この手続きに付された場合、公判前整理手続期日が何回か定められます。検察官側は証明予定事実を明らかにして証拠を開示し、弁護側も争点を明らかにし、証拠を開示することになります。

また、証人尋問を請求する場合はその立証趣旨(何を立証するために尋問をおこなうのか)、尋問事項(証人尋問でどのようなことを尋ねるのか)を明らかにします。

数回の期日をかけて上記のような手続きをおこないますので、公判前整理手続終了までに数カ月を要することになります」

 

――事実関係を否認しているゴーン前会長の場合は時間がかかる可能性があるということですね。証拠も英語と日本語が混在しているようです

 

「そうですね。ゴーン前会長は事実関係を否認しているため、争点も複雑で証拠もたくさん提出する必要があります。さらに英語と日本語の証拠が混在している場合には英語の証拠を日本語に翻訳しなければなりません。

したがって、公判前整理手続き終了までに半年以上を要するというのも頷けます」

 

●否認すると、保釈は認められにくい?

――大鶴弁護士は、特別背任を全面否認をしていると保釈が認められない可能性があると懸念を抱いている様子でした。一般に、このような場合、保釈は認められにくいのでしょうか

 

「保釈には除外事由が定められており、その一つに『罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき』があります(刑事訴訟法89条4号)。つまり、証拠隠滅のおそれがあれば、保釈が認められないわけです。

理論的には、事実関係を否認しているからといって必ずしも証拠隠滅のおそれがあるとはいえません。しかし実務においては、否認していると証拠隠滅のおそれがあると判断される傾向にはあります。

これに対して、事実関係を認めて自白している場合には証拠隠滅のおそれがないと判断されることが多いので、保釈が認められやすくなります」

 

――保釈が認められなければ、初公判まで拘置所で過ごすことになるのでしょうか

 

「保釈が認められなければ原則として拘置所から出ることはできませんが、例外的に勾留の執行停止という制度があります(刑事訴訟法95条)。

勾留の執行停止は、被告人本人の病気による入院や親族の危篤や葬儀への参列のために、裁判所の決定によって一時的に被告人の身柄を解放してもらえる制度です。ただし、勾留の執行停止はあくまで一時的なものなので、期限が来たら再び収監されることになります」

 

●再逮捕された場合、さらに勾留期間は延びる

――仮にゴーン前会長が新たな罪で再逮捕された場合、さらに勾留が延長されることになるのでしょうか

 

「新たな犯罪事実で逮捕された場合、その後10日間の勾留、必要があればさらに10日間の勾留延長という流れになります。逮捕、勾留の効力は逮捕の理由となった一定の犯罪事実について及ぶものなので、他の犯罪事実(いわば別の事件)については及びません。これを刑事訴訟法では『事件単位の原則』といいます。

たとえば、ある人を窃盗罪で逮捕、勾留した後に、殺人の嫌疑も出てきた場合は新たに殺人罪で逮捕、勾留することができます。

結果的に他の犯罪事実(別事件)がいくつもあるような場合には、その事件の数だけ逮捕、勾留することができ、逮捕・勾留期間も別々にカウントされることになります」

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