2019.6.18

澤井弁護士が「マンション受水槽で作業員が遊泳!この行為の法的問題」について解説した記事がヤフーニュースで配信されました。

「めっちゃ気持ちいい」マンション受水槽で作業員が遊泳、「水道汚染罪」の可能性も

(弁護士ドットコム、6/16(日) 10:47配信)

 

賃貸マンションに設置された、飲料水をためる「受水槽」の中で、大和ハウス工業の協力会社の社員が泳いでいたことが明らかになり、話題になっている。

 

朝日新聞毎日新聞によると、問題が起きたのは福岡県志免町の賃貸マンションで、大和ハウス工業が受水槽の施工を依頼した水道設備会社の従業員が2018年9月、清掃や点検の際に、中で泳ぎ、その様子を撮影した動画が、TikTokなどで拡散された。

 

動画には、パンツ1枚で受水槽の中に入り、「めっちゃ気持ちいい」と笑ってピースサインをする様子などが撮影されていた。
問題発覚を受けて、管理会社は住民にペットボトルの飲料水を配布。今月12日に水を抜いて清掃した。今回の行為に、どのような法的問題がありうるのか。澤井康生弁護士に聞いた。

 

水道汚染罪と威力業務妨害罪

まず、刑事の面ではどういう問題がありうるのか。

 

「水道汚染罪(刑法143条)と威力業務妨害罪(刑法234条)の成立が考えられます。

水道汚染罪は、水道により供給される飲料水を汚染して使用不能にしてしまう場合に成立する犯罪で、6月以上7年以下の懲役とされています。

水道は水を供給するための人工的設備のことで、私設でもよいので、マンションの受水槽はこれに該当します。

そして、汚染とは水の清潔な状態を失わせることをいいます。受水槽の中で泳ぐこともこれに該当します。

 

使用不能にするとは、通常人の感覚を基準にして物理的・生理的理由で使用にたえなくすることいいます。浄水汚染罪の事例ですが、過去の判例では井戸水に食用紅を溶かした水を投入し混濁させて飲料水として用いられなくさせた場合も使用不能に該当するとされています(最高裁昭和36年9月8日判決)。
したがって、実際に立件されるかどうかは別にして、水道汚染罪が成立する可能性があります。

 

なお、本件では健康被害は確認されていないようですが、水道を汚染して人を病気にさせるなどの被害が出た場合には、傷害罪と同様に重く処罰されることになります(刑法145条)。

 

さらに、本件ではパンツ1枚で受水槽に入ってしまうという実力行使を用いていることから、威力を用いてマンション管理会社などの業務を妨害した場合に該当し、威力業務妨害の成立 も考えられます。この場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります」

 

 

●対応にかかった費用、損害賠償請求できる

次に、民事についてはどうか。

 

「管理会社やマンション住民は、この従業員に対し、損害賠償請求することが考えられます。管理会社は受水槽を清掃したり、水質検査したり、住民にペットボトルを配布するなどの対応を余儀なくされていることから、それらの対応にかかった費用を損害として請求することができます。

 

またマンションの住民の方も汚染された飲料水を知らずに飲まされていたわけですから精神的苦痛を被ったとして慰謝料の請求をすることが考えられます。

 

この従業員に支払い能力がない場合は、この従業員の雇い主である下請け会社を相手に損害賠償請求することも可能です。従業員(被用者)が事業の執行に際して不法行為を行った場合には雇い主(使用者)にも責任を追及できるからです(民法715条)」

 

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