2019.6.5

澤井弁護士が「社内一斉メールで上司の悪口流したら名誉棄損になる可能性があるのか」について解説した記事がヤフーニュースで配信されました。

社内一斉メールで上司の悪口を言ったら、名誉棄損で訴えられる?

ポイントは「真実性」と「公共性」

 

(telling, 6/5(水) 11:10配信)

そのモヤモヤ、法律を味方にすれば少しだけ生きやすくできるかも!日々の困りごとを弁護士の澤井康生先生が、ミレニアル女子目線で易しく解説します。今回のテーマは、社内の一斉メールで上司の悪口言ったら名誉棄損になるのか、について。最近の裁判例をもとに考えます。

 

A子はMM商事経理部主任、B子は法務部主任。

 

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社内メールでの人の悪口は名誉毀損になる可能性がある

B子:A子、お疲れ様。

 

A子:B子さん、実はまた相談があるんだけど。

 

B子:A子、今度は何があったのかしら?

 

A子:実はうちの取締役営業本部長のXさんのことなんだけど、部下への態度が傲慢で横暴だから、戒めるために社内一斉メールでいろいろ悪口を流してやろうかと思っているのよ。

 

B子:確かに、あのX部長は部下にはきつくあたるって評判よね。それで、具体的にどういう悪口を流そうと考えているの?

 

A子:X部長が飲酒して幹部会議に2時間も遅刻してきたこととか、部下を恫喝して退職に追い込んだこととか、女性の部下にセクハラしたこととか、そういうことよ。

 

B子:社内一斉メールで公然と人の悪口を流すと名誉棄損になる可能性があるわよ。ちなみに本当にそんなことがあったの?

 

A子:遅刻したっていうのは一部では有名な話よ。2時間かどうかはウワサ話だから確かじゃないけど。

 

B子:2時間というのは曖昧なウワサ話なのね。部下を退職に追い込んだっていうのは?

 

A子:被害者のことは直接知らないけど、誰かがそう言っているのを聞いたことがあるのよ。

 

B子:セクハラの件は?

 

A子:セクハラの件も被害者が誰とか詳しいことはよくわからないけど、誰かがそういう話をしているのを聞いたことがあるのよ。

 

B子:要するに曖昧なウワサ話とか、誰かからの又聞き(伝聞情報)が根拠っていうことね。しかも誰から聞いたのかもよくわからない情報っていうことよね。

 

A子:まあ、突き詰めて整理するとそういうことになるわね。

 

B子: A子、もし社内一斉メールでこれを流してX部長に名誉棄損で訴えられたら、あなたが敗けるわよ。やめたほうがいいわ。

 

A子:でも、私の目的は横暴で傲慢なX部長に反省してもらうことで、別に悪意はないのよ。それでも訴えられたら敗けちゃうの?

 

「悪意はなかった」は通用するのか

B子:確かに、嫌がらせ目的でなくみんなのためにやったということならば(法律用語で「事実の公共性」及び「目的の公益性」)、流した事実が真実であると証明できれば、勝てる場合もあるわよ。

 

A子:難しいことはよくわからないけど、こういう場合はとにかく流した事実が真実であって、その情報を流すことがみんなのためになると証明できれば勝てるってことなのね?

 

B子:簡単に言うとそういうことね。実は以前、似たようなケースがあって、メールを流したほうが敗けて損害賠償責任が認められた事件があるのよ。

 

A子:裁判所はどういう判断をしたのかしら?

 

B子:曖昧なウワサ話を前提にしていたり、又聞き(伝聞情報)を根拠としていたりするものの具体的に誰が発言したのか明らかにできず、裏付ける証拠もない場合にはそれらの事実を真実と認めることはできない。仮に、メールを流した本人が真実であると誤信していたとしても、そのように信じることについて相当な理由も認められない。と、こう判断したのよ(東京地裁平成29年2月13日判決を簡略化しています)。

 

A子:社内でそういうウワサ話がよく流れているっていうだけじゃダメなのね。

 

B子:そうなのよ。真実であることの証明ができなければ名誉棄損で敗けちゃうのよ。ちなみに、その事件ではA子の話よりもっとひどい内容をメールで流していて、80万円の損害賠償請求が認められたのよ。

 

A子:は、は、はちじゅうまんえん……。

 

B子:A子、もし敗けたら払えるかしら?

 

A子:無理無理無理、フラット35ならなんとか(-_-;)。

 

B子:A子ったら、住宅ローンじゃないんだから^^。

 

 

文:澤井康生

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