2019.5.7

澤井弁護士が日刊スポーツ新聞「池袋暴走事故」の記事にコメントを出しました!

東京・池袋で車が暴走し母子2人が死亡し、10人が負傷した事故で、警視庁は運転していた旧通産省工業技術院、飯塚幸三元院長(87)について、負傷などを理由に逮捕せず、任意で捜査を続けている。

会員制交流サイト(SNS)では捜査の在り方や報道各社が肩書や敬称を付けて報じたことを巡り「社会的地位のある人だからか」と疑問の声も。捜査の経過と、運転者の呼称を巡る各社の対応を検証した。

 

▽逮捕せず

事故は19日午後0時25分ごろ発生。乗用車が約150メートル暴走、横断歩道にいた通行人をはねるなどし、自転車に乗っていた松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)が死亡した。

警視庁は午後4時半ごろ、運転者の実名と年齢を明らかにし、職業は無職とした。職歴への言及はなかった。

<1>事故を起こしたと認めた<2>けがをして搬送され、逃亡の恐れがない<3>車両やドライブレコーダーを押収し証拠隠滅の恐れもない-などの理由で、逮捕せず任意で捜査するとした。

運転者は入院。同庁は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで当時の状況を調べている。

ツイッターなどには、元官僚の経歴などが捜査や報道に影響したのでは、との見方が広がった。

警察は逮捕した容疑者を取り調べ、48時間以内に送検するかどうかを判断する必要がある。

元警察官僚の澤井康生弁護士は「逮捕すれば取り調べ時間の制約を受けるため、取り調べができない入院中の逮捕は意味がない」と説明する。ただ、2人を死亡させたことと運転との因果関係が立証されれば実刑判決の可能性もあるなどとし「回復を待って直ちに逮捕すべき事案だ」とも指摘した。

 

▽肩書か敬称か

朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、NHK、共同通信は現在、実名に「元院長」の肩書付きで報道している。だが発生当初は違いがあった。読売は事故翌日の20日付朝刊から実名で「元院長」と肩書呼称。朝日と毎日は実名報道し「さん」を付けた。その後、朝日、毎日も「元院長」とした。

NHKと共同通信は発生日に匿名だったが、翌日から実名に切り替えた。NHKはその際「元院長」で報道。共同通信は「さん」付けで報じた後、職歴を確認し、呼称を「元院長」にした。

呼称について各社の見解を取材すると、朝日、毎日は、職歴を確認した段階で「元院長」としたとするコメントを出した。読売とNHKは、事故の重大性などを十分検討し、判断したとした。

共同通信は「当初混乱し匿名としたが、事件・事故は実名報道が原則。交通事故で任意捜査の場合は実名とした上で敬称か肩書で報じる」との立場だ。

田島泰彦元上智大教授(メディア法)は「今回は事故の社会的影響を考慮すれば、匿名報道はそぐわない。肩書か敬称かは各社の判断でいいが、読者には丁寧に説明すべきだ」と話している。(共同)

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