2021.1.14

医療法人の解散の登記と残余財産の帰属先について

本日は医療法人の解散の登記と医療法人の残余財産の帰属先(医療法第56条)について紹介していきます。

 

【医療法人の解散の登記について】

医療法人が解散したときは、合併又は破産の場合を除き、主たる事務所の所在地において、

2週間以内に解散の登記をしなければなりません。

登記義務を負うのは清算人であり、解散登記の申請には、申請書に解散の事由を証する書面を添付して申請しなければなりません。

また医療法人の解散登記をしたときは、都道府県知事に登記事項及び登記の年月日を遅滞なく届けなければなりません。

 

 

【解散した医療法人の残余財産について】

残余財産とは、解散した医療法人が清算手続を行って債務を弁済した後、なお医療法人に残存している資産のことです。

 

合併の場合には、合併の際に消滅する医療法人の財産は全て存続又は新設される医療法人に移転するため、残余財産はありません。

また、残余財産がある場合には破産手続を利用することができないので、合併及び破産による解散以外の医療法人の残余財産の帰属先について医療法56条は定めています。

 

残余財産は定款又は寄附行為に残余財産の帰属先の規定がない場合に国庫に帰属することになります。

医療法第44条第5項によれば、定款又は寄附行為で定めるべき残余財産の帰属先は、国、地方公共団体、医療法人その他の医療を提供するものであって厚生労働省令で定める者に限定されました。

かかる定めは平成18年の医療法改正により設けられ、施行日の平成19年4月以降に設立された医療法人は出資者には、その残余財産は帰属しません。

 

これに対し持分の定めのある社団医療法人は、定款において残余財産を払込済出資額に応じて分配する旨の定めを設けているのが一般的なので、医療法第56条及び定款規定により、出資者はその出資額に応じて残余財産の分配を受けることになります。

 

持分の定めのある医療法人は、医療法の改正のため設立できなくなりましたが、当分の間、経過措置を適用する医療法人として位置づけされ、定款の変更を強制されず、従前通り出資者に解散時の残余財産分配請求権が認められています。

 

 

明日以降は解散した医療法人の清算について紹介してまいります。

 

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