2021.2.26

医療法第6章第4節計算について(15:都道府県知事への届出、閲覧制度)

今回は事業報告書等の都道府県知事への届出、都道府県知事への閲覧制度についてみていきます。

 

◇都道府県知事への届出

医療法第52条第1項は、医療法人に対して都道府県知事への事業報告書等の届出義務を定めています。

これは都道府県知事が医療法人の経営の実態を把握し、医療法人が守るべき各種規定が遵守されているか確認し、適切な監督権限を行使するためです。

<都道府県知事へ届け出る書類>

事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、関係事業者との取引の状況に関する報告書、その他厚生労働省令で定める書類(医療法施行規則第33条第1項各号)、監事の監査報告書、公認会計士等の監査報告書※医療法第51条第2項に該当する医療法人の場合

 

上記の書類は毎会計年度終了後3か月以内に提出しなければなりません。提出の際には副本が必要とされています。

ただし「その他厚生労働省令で定める書類」について副本が必要となるのは以下の書類です。

1.社会医療法人の認定要件のうち、救急医療等確保事業に係る業務の基準の適合性に関する説明書類

2.社会医療法人の認定要件のうち、公的な運営に関する要件の理事、監事及び評議員に対する報酬等の支給基準を定めた書類

3.社会医療法人の認定要件のうち、公的な運営に関する要件の法人が保有する資産の明細表

 

◇都道府県知事への閲覧制度

医療法第52条第2項は、都道府県知事は、定款もしくは寄附行為又は本条第1項(都道府県知事へ届け出る書類)について請求があった場合は、閲覧に供しなければならないと定めています。

この制度には医療法人の定款、寄附行為、事業報告書等が一般に閲覧されることで、医療法人が適正に運営される動機付けとなり、医療法人の運営の透明性が確保されることが期待されています。

 

なお、本条第1項の都道府県知事へ届け出る書類については、閲覧対象が過去3年間に届け出られた書類に限られます。

さらに、本条第1項の都道府県知事へ届け出る書類のうち、その他厚生労働省令で定める書類については副本提出が必要となる書類のみ閲覧対象となります。

 

◇罰則

医療法人の理事、監事、清算人は都道府県知事への届出をせず、又は虚偽の届出をした場合、20万円以下の過料の制裁があります(医療法第93条第6項)。

 

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