2015.9.19

【ポイント解説】出資持分のない医療法人への移行について

弁護士法人海星事務所は医療法、医師法を専門とする法律事務所です。

近年、医療法の分野で、経営安定、事業承継、相続対策のために出資持分のある医療法人から出資持分のない医療法人への移行を検討される社団医療法人が増加しています。海星事務所へのご相談件数や交渉、訴訟などへの関与件数も増加しています。

海星事務所では、表宏機弁護士を中心に、税理士法人、コンサルティング会社、厚生労働省など関係機関との協働で全国で「出資持分のない医療法人への円滑な移行」をテーマとするセミナーを開催しております。

今日はこの出資持分に関する問題点について少しお話しします。

出資持分の問題とは、医療法人の理事長が亡くなった際に理事長が持っていた出資権が遺産として高額に評価されて、相続人が相続税の支払いに困るという問題です。また病院経営をめぐる意見の対立から、一部の出資者が出資権の払戻しを求めた際に医療法人が高額のお金の支払を求められて困るという問題です。

こうした事態をさけるためには、何よりも現在の医療法人の出資持分をなくしてしまうことが効果的です。出資権をなくしてしまうと財産を失ってしまうと考える関係者もいますが、医療法人は元々非営利法人ですので、出資権を財産として当てにすること自体が医療法人の制度趣旨から外れてしまうと思います。

厚生労働省も、このような見地に立ち、出資持分のない医療法人への移行を積極的に推進しています。添付の画像は、厚生労働省が発行している医療法人関係者向けの持分なし医療法人への移行に関するガイドブックです。このガイドブックにも記載されているように、平成26年10月から、出資持分のない医療法人への移行促進策として認定医療法人の制度もスタートしました。

制度の内容や手続きの概要は添付の図(いずれも厚生労働省作成)をご覧ください。

この認定医療法人の制度の導入により、突然の相続の発生により医療法人の持分なしへの移行が困難になったり、一部の出資者の離脱による税務上の弊害を回避することができるようになりました。

厚生労働省の担当者の意見をうかがうと、まだまだ認定医療法人制度の周知度が低く内容を誤解されている場合もあり、十分に活用されていないということです。

弁護士法人海星事務所では、医療専門の税理士法人や厚生労働省関係部署と連携して、この出資持分問題(出資持分のない医療法人への移行促進)を積極的に進めています。

出資持分のない医療法人への意向をお考えの社団医療法人の関係者、顧問税理士先生、コンサルティング会社の皆さま、認定医療法人制度、移行計画の立案実行、相続税・贈与税の納税猶予や免除に関するご相談がございましたら、遠慮なくお申し付けください。

皆さまとともに連携して、地域医療、医業経営の安定に向けて努力してまいりたいと存じます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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