2026.1.28
【Q&A】021 院長が引退!?さあどうする?
Q
高齢の院長が1人で個人開業医として診療所を開業しています。後継者は不在です。院長は将来に不安を覚えてこの度、引退することになりました。診療所の閉鎖に関してどのような手続きを行う必要がありますか。

A
診療所の閉鎖に関する混乱を最小限に抑えるための迅速な整理と行動が必要です。
【直面する主な課題と解決策】
- ➤診療所の閉院手続き
- 保健所への廃止届や、厚生局への保険医療機関廃止届の提出が必要です。これらを怠ると、後の診療報酬請求等に支障をきたします。
- ➤従業員の雇用維持・終了
- 院長の引退、診療所の廃止は、雇用契約の解消を意味します。従業員への丁寧な事情説明とともに労働基準法に基づいた「解雇予告」や「解雇予告手当」の支払い、退職金規程の確認など、適切な労務管理を行わなければなりません。従業員の雇用について適切に対応しなければ労働紛争に発展するリスクがあります。
- ➤賃貸借契約・設備契約の解消
- 診療所の建物賃貸借契約の解約通知や原状回復、電子カルテ・レセプトコンピューターの保守契約の解約交渉が必要です。特に電子カルテは、医師法により5年間の保存義務があるため、閉院後もデータ適切に管理できる体制を整えなければなりません。
- ➤診療報酬(レセプト)の請求業務
- 未請求の診療報酬の回収は、診療所の清算業務において重要です。事務職員が不在となる場合、誰がどのように請求を行うかを確定させる必要があります。
- ➤その他の業務
- 患者対応、医薬品や医療廃棄物の処理、医療機器等のリース契約、保守点検契約、売掛金、買掛金の整理と精算、税務申告、その他の行政手続なども行う必要があります。
【専門家による包括的な支援の必要性】
これらの課題は、医療法、労働法、民法、税法が複雑に絡み合っており、課題の解決には専門知識、経験が相応に必要となります。また急な引退の場合、ご本人、ご家族や関係者だけで対応するのは心身ともに大きな負担となります。法的なリスクを回避し、円滑に事業を終了(または譲渡)するためには、専門家による助言と実務支援が不可欠です。
診療所の出口戦略や急なトラブルでお困りの際は、ぜひ一度、弁護士法人海星事務所へご相談ください。
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