2019.2.20

医療法人の役員の任期

■ 任期の満了

 

医療法人の役員は、任期の満了によって当然に退任することになります。通常は定款・寄附行為に役員の任期が規定され、その定められた任期に従います。(ただし、定款・寄附行為の定めをもってしても2年を超えることはできません。)

役員の任期の起算点は、定款・寄附行為に特段の定めがなければ、選任行為の性質上当該役員が就任の承諾をした時ということになりますので、承諾の日の翌日を初日として計算し、任期として定められた期間の末日が終了した時に任期満了となると考えられます。

 

■ 役員の補欠規定

 

役員が任期途中で退任した場合に、その補充として選任された役員の任期については、定款・寄附行為により前任者の残存期間とする旨を定めることが多いと思われます。

 

■ 権利義務役員

 

任期の満了(または辞任)によって、役員はその地位を失うことになります。そして、前役員がその地位を失い、これによって法律、または定款・寄附行為で定めた役員の定数を割り込むことになった場合、法人は、後任の役員の選任を早急に行う必要があります。法律または定款・寄附行為で定めた役員定数は、法人の適正な運営に欠かすことのできない最低の役員数として定められたものだからです。

しかし、後任役員の選任が直ちにできない場合、法人は一時的に適正な役員数に不足する状態に置かれ、場合によってはその間、法人の職務執行は停止せざるを得ない状況に陥ることもあります。このような不都合を避けるために、医療法第46条の5の3第1項は、役員が辞任し、またはその任期が満了した場合においても、後任者若しくは一時役員が就任するまでは、前任者が役員の権利義務を有するものとしました。

「役員としての権利義務を有する」とは、本来の役員ではないが、役員として職務執行を行う義務があり、また、職務執行の権限が認められることを言います。そして、この暫定的に役員の権利義務を有するものは、「権利義務役員」と呼ばれます。

 

■ 一時役員

 

必要な役員に欠員が生じ、後任者が選任されるまでの間、権利義務役員による対応が期待されますが、前役員が死亡した場合や、役員としての欠格事由に該当して役員の地位を失った場合、権利義務役員による対応はできません。そして、他の役員による対応によることもできず、そのために医療法人の業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、一時役員による対応がなされることになります。

一時役員は、都道府県知事によって選任されますが、利害関係人の請求または都道府県知事の職権に基づくことが必要であり、また、①役員の員数が欠けたこと、②医療法人の業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあることが必要です。

 

なお、医療法人の役員については、理事長のみ、登記事項となっております。理事長が交代すれば、その旨の変更登記申請をする必要があります。これは、重任(再任)の場合も同様です。役員選任の際は、登記申請をお忘れにならないよう、ご注意ください。

 

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