2016.5.6

成年後見制度を利用しましょう

成年後見制度は認知症、知的傷害、精神障害などにより判断能力が十分でない方を法律的に支援する制度です。

 

認知症高齢者が急増している昨今、成年後見制度の利用者も徐々に増え、平成28年4月には「成年後見制度利用促進法」が国会で制定されていますが、まだまだ普及しているとまでは言えません。

今日は、成年後見制度の利用に関して、ぜひ知っておきたい基本事項について少しご紹介します。

 

成年後見制度には、4つの種類、すなわち

 

【後見(こうけん)】本人の判断能力が全くない場合で、成年後見人(援助をする人)が選任される、

【保佐(ほさ)】本人の判断能力が著しく不十分な場合で、保佐人(援助をする人)が選任される

【補助(ほじょ)】本人の判断能力が不十分な場合で、補助人(援助をする人)が選任される、

【任意後見(にんいこうけん)】本人が予め後見人を選んでおき、将来本人の判断能力が不十分になったときにその後見人(援助をする人)が任意後見監督人の監督の下、後見事務を開始する、

 

のタイプがあります。

 

成年後見制度を申込むには、【後見】【保佐】【補助】の場合は、本人や家族などが家庭裁判所に手続きの開始の申し立てを行います。

必要書類は申立書、本人の戸籍謄本などです。

裁判所に納める費用は数千円程度です(申立必要書類の詳細は、最寄りの家庭裁判所の成年後見の係りにお問合せ下さい)。

 

申立がなされると、裁判所の職員(調査官など)が事実関係の調査を行ったり、裁判官による面接(審問と言います)が行われたり、医師による医学鑑定が行われたりします。こうした審判手続を経て、審判書が作成され、晴れて、後見事務が開始されることになります。

 

後見事務が開始されると、後見人(保佐人、補助人)は定期的に裁判所に報告し、後見監督人が選任されている場合には後見監督人にも後見事務の報告を行います。

自宅の売却など重要な財産の変更をする場合には裁判所の許可が必要な場合もあります。

また、成年後見の審判がなされると成年後見の登記がなされます(戸籍には記載されませんのでご注意を)。

 

同じ成年後見制度でも【任意後見】の場合は、まず最初に後見人になってほしい方と任意後見契約を締結する必要があります。この任意後見契約は公証役場で公正証書の形で作成する必要があります。

契約後、本人について後見事務を開始する必要が生じたときに、後見人が家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てることになります。

 

任意後見監督人の選任の審判が下りてから、後見事務が具体的に進むことになります。後見人は後見事務を進めるにあたっては、任意後見監督人や家庭裁判所に事務の報告を行ったり、指導を受けたりすることになります。

 

成年後見制度の利用については、すでにご本人が認知症などの病気により日常生活を自立して送れず、財産の保全、管理についても不安な状況に至っているにも関わらず、家族の意見が合わずに後見の申立がなされずに必要な法律支援が受けられないケースがあります。また後見人の考え方と家族の考え方が合わずに後見事務が混乱するケースもあります。

 

成年後見制度を上手に利用するには、できれば、ご本人がお元気なうちに、家族の方との間で、将来判断能力が低下した場合にはどのようなタイプの成年後見制度を利用するのかどうか、その場合誰に後見人になってもらうのか、そのために今準備をすることはどんなことか、などを話し合って伝えておくことが大切です。ご本人とご家族の間だけでは法律的なこととか将来への備え方が良く分からない場合は、弁護士や司法書士などの法律専門家や地域包括支援センターなどにご相談されることもお進めします。

 

弁護士法人海星事務所は成年後見制度など高齢者福祉に積極的に取り組んでいます。

高齢者ご本人や高齢者を家族にもつ方からご依頼があれば、成年後見制度の仕組みや手続、費用、どういう場合にどのようなタイプの成年後見制度を利用したらいいのか、それぞれのタイプのメリットとデメリットなどについても分かりやすくご説明いたします。

成年後見制度だけでなく、高齢者の方との間での見守り契約、財産管理契約、任意代理契約などについても、ご相談に応じています。

またご家庭ごとの個別のご相談にも親身に対応いたします。

 

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