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【Q&A】010 医療法人の理事の解任
Q 社団医療法人の理事を務めていますが、任期途中に、社員総会で解任を決議されました。理事の地位の継続を主張したり、損害賠償を求めることはできますか。 A 医療法人(以下、社団医療法人を前提にご回答します)の理事が任期途中に社員総会で解任を決議された場合、結論として、あなたは解任によって生…
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【Q&A】009 医療法人の乗っ取りへの対応
Q 医療法人の乗っ取りとはどういうことですか。またどのように予防したらよいですか。 A 医療法人は医療法に基づき設立される特別な法人で、身近な株式会社などとは権力の決まり方(意思決定の方法)が異なります。株式会社では出資額が多い人がその分権力を持つことになりますが、医療法人(社団)では、原則として社員1人につき…
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【Q&A】008 パワハラに対する対応
Q 診療所で医療スタッフが他の医療スタッフからパワーハラスメントを受けて困っています。院長としてどのように対応するべきでしょうか。 A 診療所の院長として、医療スタッフ間のパワーハラスメント(パワハラ)問題に対応することは、職場環境の維持と安全配慮義務の履行という点で極めて重要です。 2020年6月より、職場におけ…
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【Q&A】007 病院の管理監督者の判断
Q 病院の院長や診療科長は労働基準法上の管理監督者に該当しますか。 A 「院長先生や診療科の部長先生は、残業代の支払いが必要なのだろうか?」というご質問をよく受けます。 結論から申し上げますと、「院長」は管理監督者に該当する可能性が高いですが、「診療科長」は管理監督者とは認められない可能性が高いです。…
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【Q&A】006 カスハラ対応の記録の方法
Q 病院での患者によるハラスメント的言動が行われた場合、その事実を記録に残す場合の注意点について教えてください。 A 日々、患者様のケアに尽力されている中で、理不尽な要求や暴言(カスタマーハラスメント)への対応は、病院スタッフにとって精神的にも大きな負担になります。対応措置や診療拒否の正当性を立証する…
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【Q&A】005 診療拒否が認められる正当な事由
Q 診療内容に長時間のクレームや暴言、威圧的行動を繰り返す患者に対して近隣の病院を紹介したうえで、当院での今後の診療を拒絶することを通告しましたが、問題ないですか。 A 医師には、医師法第19条第1項に基づき、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではな…
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【Q&A】004 入院介助中の事故の責任
Q 入院中の患者の介助の際に患者が転倒し骨折しました。介助スタッフに過失がある場合、原因が不明である場合それぞれ骨折に関する治療費は誰が負担しますか。 A 治療費は原則として、その転倒事故に病院(またはそのスタッフ)側の過失が認められるかどうかが負担者を分ける重要なポイントとなります。 入院中の患者様…
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【Q&A】003 退職代行業者への対応
Q 病院のスタッフ(雇用期間に定めのない労働契約の場合)が退職代行業者を使って退職の意思を通告してきました。当のスタッフは病院からの連絡に応じてもらえません。病院としては、どのように対応するのがよいですか。 A 病院のスタッフが退職代行業者を通じて退職の意思を通告してきた場合、対応を誤ると法的なトラブルや業務への甚大な支障を招く…
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【Q&A】002 院内での貴重品の紛失の責任
Q 診療所内のスタッフ用の控室のロッカーからあるスタッフの財布が紛失しました。この場合、誰が法的な責任を負うのですか。 A 「雇用主(診療所)」と「従業員(スタッフ)」の間で起きた問題です。 この場合、診療所側が「安全配慮義務」をどの程度果たしていたかが、最大の焦点となります。 1. 原則は「スタッフ…
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【Q&A】001 院内でのスタッフの呼称
Q 病院のスタッフの名札にスタッフの名前を記載せずにイニシャルや偽名(ニックネーム)記載することは法的に許されますか。 A 最近、患者さんやそのご家族からのハラスメント(いわゆる「カスハラ」)対策や、スタッフのプライバシー保護の観点から、名札にフルネームを記載したくない、というご相談は医療現場で非常に…