2021.4.28

出資額限度法人への移行について

平成19年4月1日の改正医療法施行により、新たに設立できる社団たる医療法人は、出資持分のないものだけになりました。しかし、平成19年4月1日以前に設立された医療法人の大半は、依然として出資持分のある医療法人のままであり、全体として、ほとんどの社団医療法人が、出資持分のある医療法人です。

 

では、出資持分のある医療法人には、何か問題点があるのでしょうか。

 

 

【出資持分とは?】

 

ここで言う出資持分とは、社団たる医療法人に出資した者が、その医療法人の資産に対し、出資額に応じて有する財産権のことをいいます。

 

この、出資額に応じて、という部分がポイントです。

 

例えば、医療法人設立当時、社員である出資者が100万円を出資したとしましょう。その出資割合が50%だとして、医療法人の財産が1億円となった場合には、この社員が退社する際、5000万円の払戻請求をすることができるということです。

 

 

【出資持分の払い戻しを請求されたら?】

 

医療法人の財産が1億円になった、といっても、キャッシュで1億円ある、というわけではありません。医療機器や不動産などの固定資産を含め、医療法人の持つすべての財産の総額が1億円と評価されている、ということです。

 

もしも、突然出資者から「医療法人をやめるので、持ち分を払い戻してほしい」と請求されたら、医療法人はこれに応じる必要があります。すぐに動かせる現金がそれほど無いにも関わらず、この払戻請求に応じなければならないとなると、法人の経営に大きな影響が出ますし、また、出資者に相続が発生した場合、巨額の相続税が課される可能性があり、相続対策も必要となってきます。

 

 

 

【出資持分の払戻請求に対応するためには?】

 

前述のとおり、出資持分のある医療法人の場合、その払戻請求権が実行された際に、思わぬ出費になり、対応が困難になってしまうことがあるのです。

 

将来的に安定した法人運営を考えると、この出資持分について予め検討しておく必要があります。

 

その解決策の一つとして、「出資額限度法人」への移行が考えられます。

 

 

【出資額限度法人とは?】

 

出資額限度法人とは、社員の退社に伴う出資持分の払戻しや医療法人の解散に伴う残余財産分配の範囲につき、払込出資額を限度とする旨を定款で定めているものをいいます。

 

先ほどの例で言いますと、医療法人の財産が1億円になっていたとしても、当初の出資額が100万円であったなら、その財産権が及ぶ範囲は100万円までだということです。これなら、出資者からの払戻請求があった場合にも対応することが容易となり、相続が発生した際は、相続税の負担が少なくなります。

 

但し、出資額限度法人は解散した場合にも出資額を限度とした払い戻しのみしか受けられず、余剰金は原則として払い戻しできません。そのため、医療法人を解散する場合は、予め残余財産について検討しておく必要があります。

 

 

 

持分のある医療法人から、出資額限度法人への移行する際は、社員総会での決議が必要となり、所管行政庁に対し、定款変更認可申請をしなければなりません。出資持分についてお考えの際は、専門家を交えてメリットとデメリットを考慮し、適切な手続きを経て移行されることをお勧めいたします。

 

 

 

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海星事務所では医療法や医療法人に関する分野に力を入れております。

出資額限度法人への移行についてもご相談を承っておりますので、持分についてお悩みであれば、どうぞご相談くださいませ。

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